2017年から始まったスペインワーキングホリデー制度。
私は2019年10月から2020年10月にこの制度を使って、スペインに1年間滞在しました。そう、ちょうどコロナのパンデミックの真っただ中にスペインにいて、実は春はずっとピソに缶詰め状態でした。すごく不安な思いで過ごした期間も多くあったスペインワーホリでしたが、それでも行かなければよかったなんて1ミリも思っていません。
そこで、ここではスペインワーホリに行った経緯と、行って良かったと思える理由、その後についてちょっと書いてみました。
スペインワーホリに行った理由
私は学生時代にスペインに行ってから本当にスペインという国が好きです。何故なら、建物や街並みがすごく美して、何よりも人がすごく優しいからです。
スペインの国旗柄の鞄を持っているぐらい好き!
それでずっといつかスペインにまた行きたいなと思いながら、何となく働きながら生きていたところ、2017年にスペインワーホリという制度が出来たため、仕事をやめてスペインに行くことにしました。
正直、日本では結構ワーホリに対してネガティブなイメージを持っている人も多いので、怖かったことには怖かったのですが、別に学校に行くほどお金を持っていたわけでもなくて、スペインで働いてみたいという気持ちがあったのでワーホリという方法を取りました。
私はそんなに仕事が出来る方ではなくて、正直毎日会社に行くのが辛くて、精神科に行こうかなと思って調べていたこともあるし、会社に行きたくなくて泣きながら電車に乗っていたこともあって、もう生きていても特に楽しくなかったので、一回切り替えよう!ぐらいに思ってスペインに行ってしまいました。
実は結構病んでいた・・・
とはいっても、ずっとスペインのセビージャの宿泊施設で働くというのが夢だったので、それを叶えるにはワーホリビザが取れる今の内だ!と思っていたので、病んでいた&年齢的にほぼ最後のチャンスだったので、スペインに行ったわけであり、決してネガティブな理由だけではないです。
正直病みすぎていたので、そのまま働き続けても狂ってしまっただけなので、私は人生に疲れたら、たまには休み期間があるのもいいかな、なんて思っています。
スペインワーホリに行って良かったと思ったこと
私がスペインにいた2020年はスペインにとってはかなり最悪な年ではありました。スペイン人の大好きなお祭りは全部中止になってしまいましたし。ずーっと楽しみにしていたフェリアとセマナサンタもなくなってしまい本当の本当にガッカリでしたが、それでも、全然悪い事ばかりではなかったです。行って良かったと思ったことについて、ちょっとまとめてみました。
今まで知らなかったスペインの色々な側面を知れたこと
私にとってスペイン、セビージャは本当に夢のような街で世界一の都市に決まっている!とずっと思っていました。もちろん、今でもセビージャは本当に美しい素敵な町には変わりないです。でも、私はいくら以前にもセビージャに行ったといえども、1か月セビージャで過ごしただけのこと。全然スペインのこともセビージャのこともわかっていなかった。
でも、住んでみると本当にスペインの色々なことを知ることが出来ます。いい面もいっぱい知ることが出来ましたが、私は結構スペインの問題点も発見しました。
例えば、役所での手続きには意味の分からない時間がかかること、cita(約束)を取らないと全然色々な手続きが進まない事、そのcitaは1か月先とかになることがしょっちゅうなこと。日本以上にブラックな職場が沢山あることなどなど。
日本のサービスが恋しくなることは多々あるよ。
もちろんスペイン人の友達が沢山できることで、ガイドブックには載っていないような街を探検出来る等、まだまだ日本人にはマイナーな場所に行くことが出来たり、素敵な場所もたくさん発見しました。
色々政治の話とかを聞くことが出来たのも楽しかった。どこの地域の人がフレンドリーかどうかとかそんな話をしてくれたり、地域によって全然人の感じが違うことを教えてもらったり、実はバレンシアにも大きな中国人コミュニティがあることとか、スペイン人が働いているからスペイン人のオーナーの店に見えても実は中国人がオーナーという店が多いなど、スペインでも中国人の存在は結構強いこと等、新たなスペイン社会の一面を知ることが出来たのは興味深かったです。
私は中華街とかコリアンタウンなどのエスニックタウンが大好きなので、スペインでも見られて、すごく嬉しかった!
こういうことって、観光地だけを巡るスペイン旅行では気が付けないので、今まで知らないスペインのことを知ることが出来たのは本当に面白かったなと思います。
新たな友達が増えたこと
何といっても友達が増えたこと。新しい海外の友達や日本の友達が出来たこともやっぱり自分によってはすごく良かったと思う。
私の周りの人では、ワーホリという形で海外に行く人はあまりいなかったので、今までにはいなかったタイプの友達が出来たことは貴重だった。同じスペイン好きの日本人の友達が出来るっていうのもやっぱり良い。日本にいる友達にそんなスペインのことは語りにくいので…スペイントーク出来る友達が出来るのってすごく嬉しい。
スペインに行くとスペインの友達だけではなく、他の国の友達も多く作ることが出来ます。私の場合はシェアハウスに住んでいたので、今までいなかった国の友達が出来たのは楽しかった。スイス人とかイギリス人の友達って今までにいなかったので。イギリスご飯美味しくないってみんな言うけれど、イギリス人の作るごはんめちゃくちゃ美味しいじゃない!という発見があったり。
本当にみんなに会えて、人生もっと楽しくなったなと思っているので、良かったです。
日本にいたら日本にいたで、この間に知り合えた人もいただろうし、もしかしたら仕事でも異動とかがあって生活に変化は生まれたかもしれないけれど、私は別に日本で社会人を始めてからこんなに友達が増えたことはないので、スペインに来なかったらこんなに色んな人には会えなかったかなと思う。
新たな感情や考えが生まれたり
やはり住むところを変えると今までになかった感情が出てくることも。
やっぱりスペインに来てみて良かったなと思う。異国の地で生活をすると困ることも沢山出てくるのですが、日本に住んでいた時以上に救いの手を差し伸べてくれる人が多くいて、自分もいつか誰か困っていたらもっと積極的に手を差し伸べようとか思えるようになった気がします。
私はスペインにいた時に結構今まで好きではないどころかむしろ苦手・嫌いだったこともやる機会が多くありました。登山とか、泳ぐとか、意味の分からない廃墟を歩くとか、川探検とか…
でも、なかなかやる機会のない事だったから、経験してよかったなと思っていることもあったりします。ただやっぱり二度とやりたくないこともありますが、登山とかは意外と気持ちよかったです。
アメンボだらけで蛇やカメが泳いでいる川の中は二度と歩きたくないです…ごめんなさい。
日本の良さにも気が付ける!
日本のよさにもたくさん気が付いたりもしました。スーパーやお店が当たり前のように日曜にも開いている便利さ、役所の手続きのスムーズさ(スペインは本当に1か月以上待つこととか多い)、日本の生魚の美味しさ(あまりスペインでは中トロ・大トロってなくて、赤身をよく食べる)、日本のラーメンは超最高ってこと等など、日本の良さにも気が付くことが出来る1年でした。
日本の働き方には問題があるという声も多く聞くし、実際に有給消化率の低さとか、サービス残業とかは問題だと思いますが、スペインよりも日本の方が雇用の面では良いのでは?と思うことも多くありました。意外とちゃんとお金を払ってくれない場所は少なくないです。日本もですが…
ただ1年一緒に働くと昇給をさせないといけなく、それが嫌だから11月で契約切っちゃう雇用主とかもいるそうで(ホテルとか)、また1から仕事の探しなおしになるという話も聞いたことがあるぐらいスペインの雇用体制ってぐちゃぐちゃで、給料未払いとかも聞いたことあります…
雇用面では実は日本は正社員で働くことさえできれば比較的恵まれているんじゃないかな?と思わなくもなかったです。
ちなみにスペインはスーパーの食品や服は比較的安いですが、家電製品とか本とかはそんなに安くないので、思ったほど物価の安い国ではありません…。特に本が好きな私には地獄…。
もちろんスぺ語も上達!
や、私の場合は頑張りが足りなくてDELE B2は落ちたんですけれどね…
それでもスペインに行くと日本では知らなかった色々なスペイン語表現に触れることが出来るし、周りの人がスペイン語を話すので、文法とか仕組みはわからなくても、耳で覚えるので何となくスペイン語身に付きます。
なんちゃってスぺ語は上達したので、会話はちょこっとできます。
セビージャにいたのですが、なんか喋り方もアンダルシア人っぽくなったと言われます。例えば、「今日は鼻の調子が悪くて、ティッシュ100枚も使っちゃった~」とか言ったら、その大げさな誇張表現がアンダルシアっぽいと…。
住んだ地域や関わった人によって、色々なスペイン語表現や話し方の特徴を身に付けることが出来るみたいです。アンダルシアに行くとアンダルーを身に付けられますw
スペインワーホリから帰国して
とりあえず就活がめちゃくちゃしんどい!!!
コロナの不況と被ってしまったこと、職歴の短さ、出来る仕事の少なさから本当に仕事を見付けるのがしんどい。そして、たぶんワーホリにマイナスイメージを持っている人は少なくはない。
たぶん割と正直に大半のんびり過ごしたと答えている自分が悪いw
でも、事実だから何ともな。
それでも、スペインワーホリに行ったことは、後悔はしていない。とりあえず楽しかったから。
正直、今振り返ってみるともったいない過ごし方をした時期は沢山あったけれど、それでも、このスペインワーホリがない私の人生はたぶんハイパーつまらなかったから、別にいいよ。
ただワーホリは学生ビザを取っていくよりもずっと安く過ごすことは出来ますし、万が一延長したくなれば、最近は学生ビザなどに切り替えて延長が出来るようにもなっていたりします。語学学習の一手段としてワーホリビザを選ぶのも節約のためには便利なので、まだ使える年齢であれば色々な自由が利くワーホリビザは結構おすすめです。
私の場合は行ったタイミングでコロナの大流行という大変な年になってしまい、不況下の就活で大変だったので、とんでもない決断をしたんじゃない?と周りには思われがちですが、このタイミングだったからこそ出会えた人もいて、このタイミングじゃなかったら出会えていないので、何の悔いもないです!そんな時だったからこそ、人の優しさに感動したこともありましたし。
好きな場所に住む経験をすることも、疲れてしまった時に思いっきり休むこともしてみてもいいんじゃないかなと個人的には思っています。もちろん、場合によっては私のように日本に帰ってから仕事が見付からなくて、苦しむこともあるけれど、でも、生きていれば大好きなスペインやセビージャにもまた戻れるから、頑張って生きてみよう、そんな風に思っています。
誰にとってもスペインがいいのかはわかりませんが、スペインはスペイン語がわからない時に行った時ですら、また戻りたいと直感で思った国で、疲れた時に休むにはいい国でした。ちょっと人生休憩したいなと思ったら、有給取ってスペインに行ってみるの、語学留学やワーホリでスペイン行くの、本当におすすめです。日本と比べて、そりゃ不便に思うこともなくはないですが、それでも何だか少し楽な気持ちになる国。生きていてよかったって思える場所でした。
コメント